ヘリコプターから承認をばらまく

承認の量的緩和が日本を救う

アイカツ!全体主義合同

11/05 追記 拙稿「供述によると星宮は……」のお試し版へのリンクを追加

趣旨

アイカツのアイドルが全体主義体制の国家宣伝体制に組み込まれる合同誌(人員が集まらなかったため執筆者は3人)を11月20日の「芸能人はカードが命11」にて頒布します。
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なぜこの取り合わせを考え付いたか

表現者としてのアイドル

アイカツのアイドルは一貫して、わりと自律性が高めに描写されているように思います(他のアイドルアニメ、3次元アイドル経験が少ないので印象論ですが)。全体主義国家のような極端な政治体制に反発するにしろ付き従うにしろ、そこに各自の判断が強く立ち現れてくると考えました。

アイカツシステムと政治の親和性

アイカツ!-アイドルカツドウ-において欠かせないものといえば、アツいアイドル活動「アイカツ」を支えるアイカツシステムは欠かせないでしょう。
このアイカツシステムの作中からわかる特徴を列挙します。

  • アイカツシステムを扱うエンジニア(専門家)がいるらしい。
  • 電力を消費する。
  • かえでのアメリカアイカツ事情話や神崎美月アジアツアーなどの話から、各国でアイカツシステムは使われている。
  • ステージ規模に応じて、電力消費はかなり変化する(船上やアイカツブートキャンプの島などでもライブをしていたが、スタジアムの停電ではライブが出来なかったため)。
  • 本気で調整すればかなりエキセントリックなことも可能な表現力を持つ(アイカツ!~ねらわれた魔法のアイカツカード~参照)。

つまり

  • 国際的にも地位を得ており、
  • 非常に高い表現能力を持つが、
  • 運用に専門家集団が必要で、
  • 大規模な舞台には少なくとも大スタジアムに供給するレベルの電源が必要。

ここから導ける一つの回答、それが国家資本投入だったのです。

アイカツシステムと身体

加えて、アイカツシステムにはもう一つ重要な要素があります。それは、

  • 裸、もしくは下着姿(発光していますが)と思われる姿で走り、巨大化したカードを通過することでドレスアップする。

つまりアイカツシステムに入るとき、アイドルは一度身に着けるものを持たない状態、システムに身体を預けた状態になるのです。最もセンシティブな部分に触れるものの管理を誰に任せるかの問題がここに現れます。

エリートとしてスターライト学園・ドリームアカデミー

アイカツの日常回などを見ているとたまに忘れそうになるのですが、スターライト学園は超がつく倍率であり、「アイドル」という分野の隔絶したエリート校です。その中でもメインキャラ衆は頭一つ抜けた集団です。また3期以降添え物扱いになってしまったドリアカの4人も同様の集団といえるでしょう。
エリートという存在は往々にして社会から「役割」を果たせと言われがちです。もちろん「役割」には例えば慈善事業に寄付しろなどの良いものもありますが、独裁者や非人道国家などのプロパガンダへの参加などを求められる可能性だってあるわけです。エリートの葛藤としての権力と向き合うスターライト・ドリアカアイドル、見たくないでしょうか?

拙稿「供述によると星宮は……」

供述によるとペレイラは……

全体的な話が終わったので、ここからは拙稿「供述によると星宮は……」の話をします。ピンと来た方もいらっしゃるかもしれませんが、イタリアの作家アントニオ・タブッキの小説「供述によるとペレイラは……」のパロディとなっています。

供述によるとペレイラは… (白水Uブックス―海外小説の誘惑)

供述によるとペレイラは… (白水Uブックス―海外小説の誘惑)

舞台は1938年のポルトガル。70年代初頭まで続く独裁体制の体制が整い、スペイン内戦にあってフランコへの支援を決定した時期にあたります。そんななか、リスボンの弱小新聞社で働く中年の文化部記者ペレイラは政治への無関心を貫きます。若き闘士モンティロ・ロッシとの出会いまで……

アイカツ!との親和性

ペレイラもロッシも大卒です。この時期のポルトガル識字率が50%という欧州の西側にある国家と思えない数値ですから、これは大変なエリートといえます。片や社会と切り結ぶことにはもはやくたびれ、長い余生の消化モードに入った中年、片や社会改良の情熱に燃え不器用に邁進していく若者。アイカツキャラでロールプレイするには最適です。そしてペレイラもロッシも、死について真剣に考えます。「死」というのは身体をめぐる事象として特別の地位にありますから、それをアイカツシステムと身体の問題にスライドしていけます。加えてペレイラは記者であり、ロッシはその助手ですから、二人とも表現者です。本当に何から何までおあつらえ向き過ぎて、怖いぐらいですね。
また、ペレイラの妻の存在もこの作品に大きな影を投げかけます。アイカツでなぞる以上女と女の感情の話になります。百合です。

最後に

政治にかこつけて好き放題百合をやっているので、ぜひにお買い求めください。

11/05 追記 お試し版を追加しました!
www.pixiv.net